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昔の“単位”が使われた言葉、今の単位に直すと分かりやすい説

ライティング

日本語の熟語や慣用句、ことわざには、尺貫法などの昔使われていた“単位”を用いたものが多くあります。
これらの言葉を適切な意味で解釈して用いるのはWebライターのスキルのひとつ。だけど、今は使っていない単位を見てもいまいちイメージできない…。
そこで、メートルなどの今使われている単位に直すと分かりやすく理解できるんじゃないか?と考えました。

というわけで今回は、昔の“単位”が使われた熟語や慣用句などを、今使われている単位に言い替えたらどうなるのかを調べてみました。

一寸の虫にも五分の魂

「一寸の虫にも五分の魂」。これはメジャーなことわざなので、知っている方がほとんどでしょう。どれだけ小さくて弱い者でも、それ相応の意地や感情があるので侮ってはいけない」という意味のことわざです。

ただ「一寸」と「五分」というのが「小さい」の意味なのは分かるけど、具体的にどのくらいなのかは分からない人が多いはず。

「寸」や「分」とは「尺貫法」という単位系の中で、長さの単位です。尺貫法は中国で使われていた「尺斤法」という単位系から発展した日本固有の単位系で、メートル法とは以下のような関係にあります(「尺貫法|大日本図書」を参照)。

  • 1里=36町≒3927.27m3.92km
  • 1町=60間=360尺≒109.09m
  • 1間=6尺≒1.81m
  • 1丈=10尺=3.03m
  • 1尺=10寸≒0.30m
  • 1寸=10分≒0.0303m=3.03cm

尺貫法で表された「一寸の~」をメートルに当てはめると、「3センチの虫にも1.5センチの魂」となります。

3センチの虫。いかがでしょう?筆者は「思ったよりも大きいな」という感想。アリとかハエくらいをイメージしていたけど、実際にはコガネムシくらいの大きさでした。

母をたずねて三千里

言わずと知れた名作「母をたずねて三千里」。イタリア生まれの少年マルコが、出稼ぎに出たまま帰らず音信不通となった母のもとを訪れるために、ひとりアルゼンチンまで旅をする様子を描いたアニメです。

この「三千里」というのは「3,000個の里」、という意味ではありません。
「里」も先ほどご紹介した尺貫法の単位のひとつで、1里≒3.92kmに換算できます。

つまり「母をたずねて三千里」は、「母をたずねて11万8千キロ」ということになります。
この11万8千キロメートルという数字は、実際のイタリアーアルゼンチン間の距離に相当。
日本列島の長さはおよそ3,000キロメートルなので、日本列島およそ40個分というと、マルコの旅した旅路の長さがより実感できると思います。

余談ですが、なぜアニメタイトルとして「三千里」を用いたのでしょうか?
12万キロとしたら分かりやすいけど、あえて「三千里」という日本のコンテクストに馴染む言葉を使うことで、長距離を子ども一人で旅する旅愁を表現しているだろうと、個人的には想像します。

一反木綿

ゲゲゲの鬼太郎でおなじみの妖怪「一反木綿」。長くひらひらした木綿の妖怪で、鬼太郎では「おいどん」「ごわす」などの九州弁で話すのが特徴ですが、これは一反木綿が鹿児島県で伝承されていることが由来なのだと思われます。

この「一反」というのも日本に古来からある長さの尺度。ですが、尺貫法とは異なりメートルとの関係性が決められているわけではなく、時代や産地、種類などによって微妙に違いがあるようです。

『名数数詞辞典』の「一反」の項を見ると、「布帛の大きさの単位。成人一人分の衣料に相当する布帛の量。普通の布では鯨尺で幅一尺、長さ二丈六~八尺ぐらいのものをいう。時代、産地、種類によって差異がある。」と説明されている。また、『きもの用語事典』では、「反物」の項に「大人用の和服一着分の用布を一反(三丈もの)というが、この一反に仕上げてある布の総称。着尺の一反は幅約37センチ、長さ約12メートル50センチくらいが標準である。」と説明されている。

反物の長さを表す一反とは、どのくらいの長さなのか、知りたい。 | レファレンス協同データベース

ここでは『きもの用語辞典』での定義を借用すると、つまり「一反木綿」は「12.5m木綿」ということになります。

どうでしょうか?
アニメ鬼太郎で一反木綿が背中に鬼太郎とかを乗せている様子をイメージすると、なんだかしっくりくるサイズ感のように思います。

千両役者

「千両役者」。これは、人気と実力の両方を兼ね備えた人物のことを称する言葉です。元々は江戸時代の歌舞伎役者の中でも特に人気のある役者のことを指す言葉だったとされていますが、今では役者に限らずアスリートなどにも使われたりします。

この「千両」というのは昔のお金の単位で、「千両ものお金を稼ぐほどの人気」という意味合いがありますが、この「千両」を今のお金に換算するといくらになるのか?貨幣博物館のホームページによると…。

米価から計算した金1両の価値は、江戸初期で約10万円前後、中~後期で4~6万円、幕末で約4千円~1万円ほどになります。

お金の歴史に関するFAQ(回答)|貨幣博物館

なんと、同じ「江戸時代」であっても価値には大きく違いがあるのだそう。
意外に感じるかもですが、いまの日本円でさえ、現在と50年前とでは価値がだいぶ違います。江戸時代は265年もの歴史がありますから、その中で価値が変動しているのは不思議なことではありません。

ひとまず今回は話をわかりやすくするために、江戸初期の「約10万円」で換算してみると、「千両役者」は「1億円役者」ということになります。プロ野球などの「1億円プレーヤー」と同じだけの価値があると考えると、めちゃくちゃイメージしやすいですね。

まとめ

今回は、昔の“単位”が使われた熟語や慣用句などを、今使われている単位に言い替えたらどうなるのかを調べてみました。

「一寸の虫にも五分の魂」は「3センチの虫にも1.5センチの魂

「母をたずねて三千里」は「母をたずねて11万8千キロ

「一反木綿」は「12.5m木綿」

「千両役者」は「1億円役者」

うん。こうやって今の単位に直してみると、大きさや長さといった尺度としては、イメージしやすくなりますね。
でもやっぱり個人的には、元々の熟語や慣用句の方が、人々の感情や驚嘆もニュアンスに含まれて伝わってくるような気がして、言葉としての味を感じられる気分です。

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